| 日本型への模索
グローバル経営の視点で見れば、アメリカ人にとり最も身近な非主流集団であった女性とマイノリティを正面から取り上げる米企業は、知らずして真のグローバル化に必要な組織学習を実践していると言えよう。社内に多様性なくして、社外の多様性を管理できる道理は無いからだ。
では日本企業の風土の中で多様性を促進する教育や施策は可能なのだろうか?
筆者はアセアンの日系企業へマネジメント訓練を実施しているが、ある現地人幹部から「私は日本人から犬のように叱られました」と言われ頭を抱え込んでしまった。自分の思いが伝わらない相手に対して怒りを爆発させる人に、多様性を尊び、そこから学ぼうとする世界観を読者ならどう教えるか?
ある米国人は「ダイバーシティ訓練で違いを教えるほどに、人々が互いを尊敬するようになるのです」と私に語ってくれたが、アジアで日々接する日本人の現実の行動とは余りにも対照的な一言であった。米国流の「人本主義」とも言えそうな多様性アプローチと、日本企業の「人の経営」。どちらが人に優しいのか?――日本型経営の再構築の推移を注視しながら、見守っていきたいテーマだ。 |